忌み謡い

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「一つ子、産湯に浸けずに絞め殺せ 双子、産まれし双子を讃え 三つ子、真ん中、心の臓抉りて残りの双子に血を捧げ…」 ……これはこの昔から云われている古い言い伝え 僕等が産まれてくる前に、母さんは一つ子を産んでしまった その子を 殺してしまったんだって… でも僕は別に母さんが酷い人だとは思ってない しょうがなかったんだ… その後、僕等双子が産まれて母さんは「ありがとう…ありがとう…」とずっと泣いてありがとうと言っていたらしい… 皮肉なことに、母さんは僕等を産んだ次の日に毒を盛って一人心中していたらしい 遺書には 「鏡塀(きょうへい)…鏡輔(きょうすけ)… あなた達が産まれてきてくれたお陰で私は少し心を癒せます… でも、私は一人殺めてしまった… 償いとして私はあの子に謝りに行きます… 産まれてきてくれて、本当にありがとう…」 僕等双子は当主を目指すため 色んなことを叩き込まれた… これが惨劇の幕開けになることになるなんて…
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