自覚

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あれから。文化祭も近くなっていき、準備や何やかんやで一緒にいることが多くなった。 話は合うし、何より一緒にいて安らげたし、楽しかった。 安心感・・・そんなのもあったのかも知れない。 ふと気づけば、あたしはいつの間にか蓮が好きになっていた。 「如月さん」 「呼んだー?」 「ここなんやけど、どうしたらえぇ?」 「あー…。責任者に言わなどうしようもないなー…」 「はいよ。下校時間近いし帰ろか」 蓮に言われて外を見れば、真っ暗で。時計を見れば、6時ぐらいだった。 「うっわ…バス7時までないやん」 「しゃあないやん。バス停まで行ってまっとかな。いつまでも学校におれんしさ」 「だね(笑)ヤツらは?」 「放置。めんどい」 「えー」(笑) なんて会話をしながらバス停まで歩いて。 「うわー・・・やっぱ寒いね」 冬もだんだん近づく頃。手が冷えて痛くて、暖めてたら 「ふぅん・・・俺ぬくいし、手あっためたるわ」 そう言ってぎゅーっと手を握ってくれた。 「あったかーい♪ありがと」 「別に構わんし」 少し照れたようにそっぽを向いてた。 それから、バスが来て乗り込んで。 駅で別れるまで他愛もない話をして帰った。
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