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「……くん?……黒くん。石黒くん!!」
冴子の美しい指が石黒の鼻を捕え、容赦なく捻りあげる。
「って!冴子チーフ?何をするんです!」
石黒は、真っ赤になった鼻を押さえつつ冴子を睨んだ。
冴子は、軽く首を傾げながらため息をつく。
「デレデレした顔で、誰かさんを見つめているからよ……」
石黒の顔色が変わる。
一瞬……何か言いかけようとしたが、カレーを乗せたスプーンをその口にほうり込む。
「図星だったかしら」
冴子は石黒から目を離さない。
「冴子チーフの女の勘?結婚してから鈍りましたね」
石黒は、いつもの爽やかスマイルで冴子を圧倒した。
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