243人が本棚に入れています
本棚に追加
「そう?修二くんが浮気しないように、勘は鋭く磨いているつもりよ?……まぁ、いいわ?カレー一口で見逃してあげる」
冴子は、幸せそうに石黒からカレーを奪った。
「まったく……何を勘違いしているのか。あっ!一口だけです!あぁ!……ひどい、二口も!」
いつもの麒麟COMPANYの社員食堂。
いつもお馴染みの光景だ。
ただひとつ違っていたのは、石黒の小さなため息と、聞き慣れない赤ちゃんの泣き声だけ。
「ほら、鈴(すず)ちゃんが泣いてますよ?」
「大丈夫」
冴子が不敵な笑みを浮かべた時。
「大丈夫でちゅか~?すーちゃん、どうしたのでちゅか~?よち、よち……」
滝山……か?
そう、新米パパ滝山だ。
最初のコメントを投稿しよう!