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夫婦漫才と、可愛い鈴の存在は、麒麟COMPANYの社員達を笑顔にしていた。
浮かない顔は石黒だけ。
石黒の目は、彼女を追う。
最近、ますます美しくなった木嶋美月を。
「わかっている……木嶋さんが好きなのは……成瀬」
石黒はスプーンを握りしめた。
「そんな事……わかっているんだ。だけど……どうしようもないだろ……」
石黒は、美月が入社する前、面接の時から関わってきた。
美月が嬉しい時も、悲しい時も、苦しい時も。
常に優しく、見守り続けてきた。
傍で美月を支えてきた石黒は、いつからだろう?自然に美月を好きになり、愛していた。
叶わぬ恋心は、今まで決して悟られぬように抑えつけてきた。
それなのに……。
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