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それは、いつだったか……。
残業続きの石黒を気遣い、美月は一緒に遅くまで仕事を手伝っていた。
いつもの事だ。
その日は昼から大雨で、夜半には警報がだされるほどの土砂降りになった。
会社に閉じ込められたのは、石黒、美月、社長の三人だ。
「石黒くん!ろうそくの準備はできているかね?そうだ!美月くん!おにぎりがいるんじゃないか?あと……」
なぜかはしゃぐ社長は、停電にもなっていないのにろうそくを燈し、毛布も準備している。
「……社長、まさか、ここに泊まるつもりでは?」
「当たり前じゃないか、石黒くん!今夜は三人で語り尽くそう!」
社長の秘書ロボットは、食堂でおにぎりを握ってきた。
アニーとハリセンは、熱いお茶を入れる。
「ん?電気が邪魔だな……石黒くん!ブレーカーを落としなさい」
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