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どんな本を読んでいるのか?
気になって仕方ないのだが、なかなか話しかける勇気がなかった。
そんなある日。
美月のお守りとも言える、母珠絵手作りの絵本が、手提げ袋から滑り落ちた。
キューピッドの気まぐれか、憧れの君の足元に落ちた絵本を、彼は拾ってくれる。
そして、笑顔で美月に手渡した。
「はい。あれ……?見た事がない絵本だね?」
「う、うん。お母さんの手作り……絵を描くのが好きだから」
憧れの君は、興味深く絵本を見ている。
「それ、見せて貰ってもいい?」
思いがけない申し出に、美月は何度も頷いた。
「ありがとう!……うわぁ!」
憧れの君は、珠絵の絵本に夢中だ。
「木嶋さん、一日だけ!一日だけこの絵本を貸してくれない?」
美月は、真っ赤になりながら小さく頷いた。
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