じゃまするやつはゆびさきひとつでだうんさ

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翌朝、10分ほど籠もっていたトイレから出ると、どうやらケン君(仮名)の父親が見舞いに来ているようだ。 しかし、昨日のような穏やかな雰囲気ではない。 一体なにが起きた?? 「オイ!!この時のために頑張ってきたんだろ!!」 「・・・・・」 「なんとか言えよ!!お前はこの一年間、ただダベリに行ってただけなのか?」 「…違う」 「大会に出なかったらこの一年間がムダになっちまうだろうが!えぇ?おい!なんとか言えよ!!」 「・・・・・」 どうやらケン君(仮名)は、入院しているにも拘わらず、数日後に迫っている武道大会へ参加するよう、父親に諭されているようだ。 いや、この場合『諭す』という言葉はおかしいな。 『無茶苦茶』 これがピッタリだ! 「おいっ、どーするんだよ?!答えろ!口ついてんだろ?!あっ!?なんとか言えよこの!!」 ドゴッ!!!!! 父親から正拳突きが繰り出され、ケン君(仮名)は殴られた(たぶん音からして腕の当たり)。 「帰るからな!!」 父親は帰った。 ケン君(仮名)は涙ちょちょぎれているようだ。 鼻水をすする音が聴こえる。 この父親、凄いな。 こんなこと続けていたら、間違いなく数年後ケン君(仮名)に殺られることが想像できないのか?? それにしてもこの親子、関わり合いたくないんですが…悪いけど。 やがてケン君(仮名)も落ち着いたようだが、昼食はあまり食べたくないようで、看護師さんに 「どうしたの~?食欲無いの~?」 なんて言われていた。 そんな出来事もあったが、そこからは静かに時間が流れ… と、思っていた矢先、14時過ぎに事件は起きた!!
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