本質

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「せ、先輩!?」 突然の事に驚きを隠せない麻也。 だが桜は気にせずぎゅうと腕に力をこめた。 「翼だから嫌なのよ。ほら、麻也になら私は自分からも出来るわ。」 「えー!!そんなぁ。私はこんなに大好きなのにー。」 「私は嫌いだって言ってるでしょ。」 相変わらず麻也を抱き締めたままの桜。 さすがの翼もそれ以上は関われず、大人しく席に戻り自分の仕事に取り掛かった。 「今日はまた一段と酷い振られ方だったなぁ。」 同期の悪友、瑛太が憐れな表現で言ってきたものだから、余計に翼の気分は落ちた。 どうせなら笑い飛ばしてくれた方が気が晴れたのに。
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