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いつもは行かない屋上にあがり、翼はフェンスにもたれ掛かり、空を見上げた。
さすがに昼休みでもないのにここに上がってくる社員はいない。
1人で感傷に浸りたい時にはまさにベストな場所である。
「表に出すって難しいなぁ……。」
「なにがー?」
気を抜いていたので思わずビクッと肩をあげたが、声の本人が瑛太だと分かると安堵と共にがっかりした。
本当なら彼女に会いたかったから。
「そんな顔すんなよ。ほら、差し入れ。」
「………お前嫌がらせだろ…。」
甘いココアが苦手な事を知っていながら、この日差しがよく暖かな日にホットを差し出す瑛太。
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