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目覚めの悪さに悪態を付く間もなく彼はベッドの上でもがく。
息も荒ければ、全身は恐ろしく冷たい。
咽がひどく渇いているのに、水を飲もうにも身体が動かない。
ガクガクと震える腕を何とか突っ張ってベッドからずり落ちて進む。
咽が痛い。声が出ない。
いや、そんなモノではない 。
頭痛に吐き気、涙は止まらず視界は濁るばかり。
「ギィ…ィ… ァ…」
擦れて声らしい声も出ない。
あぁ、今日は学校行くのは無理だな。
自重に耐えきれなくなった俺の腕は自らの主であり主導のはずの頭を地に打ち付けた。
「ぎィ、ごほっ、ゲホ……ぐぅ!」
空気を吸いたい。
なのに出来ない。
汗と涙と鼻水が止まらない。
寒さと痛みが俺に幻覚を見せつける。
昨日は久々に全力で能力を使ったからコレだよ。
たかが数分、されど数分。
「ぐぅ……ぁ」
死にそうな身体を再度引きずり始める。
彼は這っている間に学校に行くのは諦めていた。
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