狂い舞い

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しかし、青年は在る事が気に掛かった。 娘が、嬉しそうに笑っている。 よろよろと頼りない歩みで、時折、伸ばした手を握り、何かを捕まえようとしているらしい。 空を見上げて、揺れる眼は、何かを目で追っているのは顕らかだ。 何が見えるのだ。 何が嬉しいのだ。 青年は唾を飲み込み、娘の方へ歩み出た。
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