幸と不幸の隣り合わせ

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  その視線の意味を理解できない僕は、ただぼんやりとその目を見返した――と言うよりは眺めた。まだ僕にはしっかりと備わっていない“カンジョウ”がそこに在るのを感じ取る事が出来たから。 何故そんな顔をして僕を見るのか、どうして流れ込んでくるデータから彼女を感じるのか……今の僕には到底理解できないし、理解した時には僕の番だという事を、心のどこかで解っていた。それがどういう事なのかまでは分からなかったけど。 コンピュータから流れ込んでくる数多くのデータ。フォト、グラフィック、ミュージック……その全てが、彼女がマスターと共に過ごしてきた時間に比例する事を、今の僕は知らなかったんだ。  
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