希望と絶望の始まり

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  どうしたら仲良く出来るんだろう。そう考えてふと思いついたのは、先程流れ込んできたフォトの数々だった。 『すみません、これは何処の映像ですか?』 その中でも一番印象に残っていたものがあった。 青い空、澄んだ海。見ているだけで気分が晴れるデータだった。 『……』 彼女はチラリとこちらを見た。ただ、それだけ。 駄目だ、彼女との唯一の共通の話題ですら反応が返ってこない。何を話そう。 『あの……』 『黙って歩いたら?』 強い口調で言われてしまい、反射的に『すみません』と謝罪の言葉が口を突いて出た。 その時、前を歩いていたマスターが、くると振り返り「新しいメール、きてる?」と聞いてきた。 二件きていた。一つは友達からで、もう一つはよく分からない。マスターは友達からのメールにだけ返信して、もう一つはさっさと削除した。  
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