霧島啓太

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リップサービスをするタイプでもないので彼の本音を知るものは恐らく誰もいない。 女房役のキャッチャーとさえ何か疎遠な空気を感じさせる。ただ、投球は熱のこもったものである。 決して大きくはない体全体を使い鞭のようにしなるストレートは143キロくらいだが、ことごとくバッターを空振りさせた。 霧島啓大。彼は何のために野球をしているのだろう。お金のため。名誉のため。それは明らかに違うように感じられた。
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