友紀と光司(1)

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あー やっちまった あーぁー やっちまったよ せっかくの一緒の委員会から始まる、ハイスクールラブライフが… 友紀は制服のまま自分の部屋に大の字で寝転んでいた。 素敵な高校生活の始まりは、自ら繰り出した跳び蹴りによって消えてしまった… くそう、光司のせいだ、バカ光司め あー…どうしよう… 絶対、嫌われたよな… 話しかける前から跳び蹴りって… 絶望的… あぁ…私の王子様… 「何ブチブチ言ってんだ?てかおまえ、部屋でも大の字かよ。せめて足は閉じろ。十になれ」 「は?」 このさっきまで聞いていたイヤミな声は… 「姉ちゃーん、光司が来たよー」 家のどこかから友紀の弟の声がした。 「言うのが遅い!」 友紀は急いで起き上がり、どこかにいる弟に向かって叫んだ。
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