友紀と光司(1)

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「はいはい、俺が全て悪いですよー」 「だいたい変わりすぎだし。光司もっと小さかったし、ひょろかったし、弱かったし」 「あのな~、俺ももう高校生だっつの。成長期だっつの。おまえなんかに負けないっつの」 「誰が誰に負けるって?」 「あのね~俺は男よ?女のおまえにはもう負けないって」 光司は押し入れをあさる友紀の後ろに立った。 「おまえは全く変わってねぇのな」 光司はそっと友紀の肩を抱いた。 その瞬間 「あった!」 「おふぅっ」 前屈みになっていた友紀が突然頭をあげた。 その頭が光司の顎にヒットする。 「いってぇ…」 光司が涙目で顎をおさえる。 「あったよ、スーファミ!久しぶりに闘るか!」 友紀が嬉しそうにゲーム機を持ってテレビに駆け寄る。 「…ちっとは意識してくれよな」 光司がボソッと呟いた。
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