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「はいはい、俺が全て悪いですよー」
「だいたい変わりすぎだし。光司もっと小さかったし、ひょろかったし、弱かったし」
「あのな~、俺ももう高校生だっつの。成長期だっつの。おまえなんかに負けないっつの」
「誰が誰に負けるって?」
「あのね~俺は男よ?女のおまえにはもう負けないって」
光司は押し入れをあさる友紀の後ろに立った。
「おまえは全く変わってねぇのな」
光司はそっと友紀の肩を抱いた。
その瞬間
「あった!」
「おふぅっ」
前屈みになっていた友紀が突然頭をあげた。
その頭が光司の顎にヒットする。
「いってぇ…」
光司が涙目で顎をおさえる。
「あったよ、スーファミ!久しぶりに闘るか!」
友紀が嬉しそうにゲーム機を持ってテレビに駆け寄る。
「…ちっとは意識してくれよな」
光司がボソッと呟いた。
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