友紀と光司(1)

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「とりあえず、手土産でも持って謝罪にでもいきな」 「う~、話してくれなかったらどーしょー」 「話しかけたこともないくせに」 「だぁぁってぇぇ~」 「いい機会だ、謝罪に格好つけてデートでも取り付けてこい」 「他人事だと思って~」 「他人事だ」 この冷たい彼女は、森本悠ちゃん。 中学からの付き合いだ。 「それより、その幼なじみの彼といて何もなかったのがビックリだよ」 「何かって?」 「年頃の男女が女の部屋で二人っきりだぞ?何か起こってもおかしくない」 「だから何かって、何?」 「…もういい」 「あぁ~!悠ちゃぁぁん見捨てないでー」 「…次、移動教室だから行くよ…」 悠は友紀を腕につけたまま立ち上がり、ズルズルと引きずって歩く。
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