友紀と光司(1)

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「はぁ…神様はなんて意地が悪いんでしょうか」 「俺にグチるな。イライラする。ていうか働け」 友紀はポカポカと暖かい日差しの届く窓際で、大の字になっている。 机の上とかではなく、床の上に何も敷かず、大胆に大股を広げて。 「うっさいな。ちょっと休憩してるだけ」 「何十分休憩してんだ。いい加減にしとけよ」 光司は黙々と積み上げられた本をテキパキと本棚へなおしていく。 その背中を見ながら友紀が呟いた。 「本来なら、今頃は雄太先輩と仲良くお仕事だったのに…」 その一言を聞いて、光司がバンっと友紀の頭上に本の束を乱暴に落とした。 「マジでいい加減にしろよ!人が真面目に働いてやってんのによ!バックレてもいいんだぞ!」 光司が友紀の頭上に仁王立ちで怒鳴る。
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