友紀と光司(1)

3/51
前へ
/243ページ
次へ
「なによ!本音を言って何が悪いのよ!あんたがいるからやる気も出ないんじゃない!ホント、ムカつく!」 友紀は足を上げて光司を蹴ろうともがく。 「な!おいバカ!スカートが…!」 光司はさっきまでの威勢のままだが、足は数歩下がって目は泳いでいる。 「何よ?ボクサーパンツだから別にどってことないでしょ?」 友紀はあっけらかんとしている。 「…このアホ友紀!」 光司は赤い顔をおさえて作業に戻った。 「何、恥ずかしがってんのよ、今さら」 友紀はバカらしいと吐き捨てて、再び春の木漏れ日を浴びながら目を閉じた。
/243ページ

最初のコメントを投稿しよう!

15人が本棚に入れています
本棚に追加