気だるく

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××××× ×× Oh.Baby... 暑苦しい八月、快晴の日。 やけに重ったるいヘッドフォンから溢れ出る女性シンガーの歌。 誰が歌ってるのか知らないけど、きっと良いスタイルしてるんだろうなーなんて考えながら、煙草に火をつける。 セーラー服に火種を落とさないよう気をつけながらベッドに横になる。 目を瞑る。扇風機の風が前髪に当たり、少しこそばゆい。 うーん不味い。 慣れない煙草の毒に冒される脳内。 曲がサビに入った頃に、不意に額をつつかれる。 「こら。煙草はよしなさいと言ったでしょう」 そう言いあたしの口から煙草を奪い、一口吸ってから灰皿に押し付ける。 なんだこやつは、なんて憤慨したい。 けどこの煙草もヘッドフォンもベッドも、ついでに言えば私もこの人のものだから。 揉み消す仕草を見ながら、煙草とは違ったにおいを嗅ぎ付ける。 鼻腔をくすぐり唾液の分泌量を促進させるこのにおいは。 「お昼ごはんにしましょう」 どうせオメー腹減ってんだろ仕方ねぇな、とでも言いたげな優しい笑顔で促されれば、食べてあげなくもなくもないこともない。
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