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そして、何を隠そう、リヴィは渡した組。
しかし、チョコではない。
甘い物が嫌いで試食すら難儀な彼女は、悩みに悩んで、お煎餅…しかもハート型をしているとかの凝った物ではなく、本当に本当に普通ののり煎餅を3枚、控えめなラッピングをして渡したのだ。
自分は彼のことを知っているけれど、
彼は自分のことを知らない。
すれ違ったことくらいはあるけれど、
ましてや、自分が甘いものが苦手だなんて知らない。
知らないなら知らないでいい。
むしろ知られない方がいいのかもしれない。
それでも、やっぱりどこかで気づいて欲しくて。
自分の名前を、小さくRiviとだけ書き添えて。
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