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そんな2人が出逢ったのは、何を隠そう【炉峰】での事。
家を飛び出してからの数年、工は様々な仕事に就いては様々な経験をし、それを活かしに活かして、とある名の知れた貿易商人の片腕にまでなっておりました。
そしてまた、その貿易商人には子供がおりませんでしたから、まるで息子のように可愛がられていたのです。
…が、そうは言っても、その貿易商人も工もちゃんと筋の通った人達でしたから、雇う側と雇われ側。働いてこその稼ぎ。
そこは甘やかしも甘えもしません。
そんな工の稼ぎはは中の中位。
悪くはないけれど、1人で炉峰に入れる程、ましてや雪の客になる事などとうてい無理でありました。
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