14人が本棚に入れています
本棚に追加
/107ページ
誰にでもあることだと思う。
兄弟姉妹、いとこやはとこ、あるいは同級生と比較されることぐらい。
でも、僕らは双子。
『姿形もほぼ一緒、生まれも同じ、なのにどうしてこうもちがうのかしら』溜息と共に母さんが漏らしたその一言が、どんかに僕を傷つけたことか。
ハイスクールに入る頃、カミーユは学年1の秀才で、ピアノのコンクールでもいくつか賞を貰っていた。
末は医者か学者か、ピアニスト…なんて周りからも嘱望されていて、当然、学校の人気者。
僕は?
成績は下から数えたほうが早い。鉄道には詳しいけれどそれだけ。
登校するたびに『君達本当に姉弟(きょうだい)?』と、一日何回言われたことか!
最初のコメントを投稿しよう!