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母さんがそう言うだろう事は薄々予想していたから、サッサとコートを取りに向かおうとしていた僕にカミーユが言った。
『いいの。ベンだって転んで怪我したら可哀想だもの。アタシが取ってくる』
『…いいの?』
『いいの。』
『母さんがああ言ってるんだよ?』
『でも、いいの。』
そんなやりとりの後、カミーユは僕にバイバイと手を振って家を後にした。
本当に本当に、それが本当のバイバイになるなんて、誰が思っただろう。
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