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カミーユが死んで2年が経って、僕も消えたまま2年が経って、それでも僕は生きていたから戸籍上は二十歳(はたち)になっていた。
ハイスクールはなんとか卒業していたけど、その後は家の中で何をするでもなく生きていただけだったから、僕は何にもなれずにいた。
勿論、消えたままだったからなれるワケがなかったんだけれど。
そんなある日、カミーユの部屋に入った僕はなんとなしにドレッサーの鏡を見た。
のばしっぱなしの髪は背中にまで届いて、まるで女の子のようだった。
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