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不意に俊輔に聞かれた。
「棗、泣いてね?」
「ホントだー
棗ちゃん泣いてる
どうかしたの?」
私の頬にはいつの間にか
温かいものがつたっていた。
「あれ…?
なんでだろ。
やだ、私、毎年見てんのに…
なんで今日は…っ」
分からないけど…
今日が最後の気がした。
もう三人で見れなくなる気がした。
伝えようと思ったのに
口が開かない。泣くことしかできない。
「なーんだよソレ。
今日泣くとは反則じゃんな」
俊輔はそう言いながら
私を抱きしめた。
私は俊輔の腕で思いっ切り泣いた。
その言葉の意味等考えないで。
暫くしたら遊くんがパーカーを
持ってきて私と俊輔に被せてくれて
私達二人を包み込んだ。
「二人ばっかりラブラブとか
ずるいし」
でも遊くんは笑ってた。
遊くんも私も暗かったからか
気づかなかった。
俊輔が苦しんでる顔をしてるなんて
私と遊くんは笑ってた。
俊輔の辛さも知らずに。
俊輔はちゃんと…忠告してたのにね、
気づいてあげられなかった。
楽しいそうに笑ってた自分が今では
憎いよ…
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