32人が本棚に入れています
本棚に追加
後ろを振り返り、誰もいないことに安堵した哲平は、頭をぐったりと垂れながして呼吸を整え始める。
「はぁ、はぁ。もう、大丈夫そう……だな」
「はぁ……はぁ……。でも、早くここを離れた方がいいよ。可奈子と翔子はどこに行ったんだろ?」
哲平が止まったのを見て、
天パの少年、中村 秋人【なかむら あきと】も足を休めた。
「帰ったんだよ。こんなヤバイ森にいつまでもいると思うか?」
真っ暗な森の中、2人は呼吸を整えながらも辺りを注意深く、見渡している。
木に隠れる人の気配、雑草の上を歩く音。
それらを神経を尖らせて探っていた。
最初のコメントを投稿しよう!