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それは可奈子と翔子を捜すためと、ある"モノ"から逃げるため……
周辺に加奈子達がいないと判断した2人はゆっくりと顔を見合わせた。
「とりあえず、森から出ようぜ、秋人。可奈子達は旅館に帰ってるって」
「そうかもしれない。……けど、やっぱり心配だ」
秋人はズボンのポケットから携帯を取り出し、画面を見た。
画面の左上に圏外の文字が表れている。
いつもは表れることが少ない、そのたった二文字に秋人は歯痒さを感じた。
それを無視して、可奈子に電話を掛けるが、
……でない。
翔子にも掛けるがやはり、繋がらない。
「やっぱり、駄目か……。よし! じゃあ、哲平は旅館の方を見てきてよ。俺はもう少しーー」
携帯から目を離し、哲平の顔を見る。
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