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「少しは道覚えた?」
歩きながら質問した。
「うん❗佐々木君が案内してくれたから…」
「地元の人しか知らない様な道も教えてくれたしね❗」
端から見れば、カップルに見えるんだろうか…
そんな事を考えながら、彼女の言葉を聞いていた…
連絡をする様になって1ヶ月。
休みになる度に彼女と一緒にいた…
ただぶらぶら町を歩いて…
この道を抜けると近道だとか、この路地に美味い飯屋があるとか…
デートとは呼べないなって、独りで苦笑いを浮かべてた…
そんな俺に気がついたのか…
「どうかした?もしかして…元カノでも歩いてた?」
笑顔を浮かべて聞いてきた。
「も…元カノなんて居ないし💦今まで、彼女出来た事無いから…」
痛い所をつかれて…
慌ててしまう俺…
「またぁ…嘘でしょ?」
からかう様な表情で聞いてきた。
まぁ…
彼女が居なかったって言い方は…
嘘になるのかも知れない…
でも…
まともに付き合った記憶は、俺には無く…
片想いだったり、告白してフラれたりの連続だった…
そんな事を、しどろもどろになりながら説明すると…
「見た目に反して純情なんだね」
いたずらっ子みたいな言い方に…
思わず照れてしまい…
「べっ…別にいいだろ💦」
なんて言葉しか言い返せない…
そんな自分が情けなかった…
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