7.事実

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 私はただ美咲を見つめる。 「加世ーー私、知ってたよ。陽ちゃんに、他に誰かが居るってこと」 「ーー」 「最初に会った時、彼女居るのか聞いたら、居ないとは言わなかったし。私が一方的に夢中になって、付き合ってくれるって言うから……」 「ーー」 「昨日あの後ね、結局私何も聞けなかった… ただ泣いちゃったけどね……でも泣いている私を、陽ちゃんは一晩中抱きしめてくれてたよ」 「ーー」 「陽ちゃんはね、優しいの。優し過ぎるの。選択権は私にあるのに、主導権が陽ちゃんにあるなんて、 やっぱりいびつな恋愛なのかな」
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