7.事実

33/39

390人が本棚に入れています
本棚に追加
/399ページ
 美咲の家を後にしてから、待ち合わせの公園に来た。太陽に照らされキラキラと輝く水面をぼんやり眺めながら、最後に美咲の言った言葉を思いだす。 「陽ちゃんが私を受け入れてくれる限り、今の関係を崩したくないの。陽ちゃんを失いたくないから」  複雑で曖昧な状況を生み出しているのは、陽介さんだ。でも、美咲がそれでいいと言う限り、二人の関係を否定出来ない気がした。 「あれー加世、もう来てたの?」  振り向くと、敦史が明るい咲顔で自転車を降りてやってきた。
/399ページ

最初のコメントを投稿しよう!

390人が本棚に入れています
本棚に追加