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敦史とはキスだけで、それ以上に進むことはなかったけど、私たちはとても順調だった。
前に美咲が言った「経験豊富」ということが、一切気にならなかったのも、敦史が私を好きでいてくれる、って、いつでも感じることが出来たからだと思う。
高2になり、私たちはクラスが離れたけど、敦史はバイト、私は勉強に励みながら、お互いに時間を作るように努めて会っていた。
今思えば、一番幸せな時期だった――私たちは夢の中を生きていたのかもしれない。
少しずつ、見えない所で歯車が狂いだしたのは、
高2の終わり――
敦史が、担任を――自分のお母さんと付き合っていた先生を学校で殴る事件を起こしてからだった……。
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