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夏休み前のある日、父母の知人の訃報が届き、二人揃って泊まりで仙台へ行くことになった。
私一人を置いていくのを母親は酷く心配したけど、
「殆ど学校だし、一人になるのは夜だけでしょ? 私 それにマンタもいるから大丈夫」
と答えた。その話しを敦史にする。
「それって、誘ってる?」
屋上で髪をなびかせながら敦史が聞く。
「ちがうよ!」
「えー加世、夜一人じゃ危ないよー」
「大丈夫、マンタが居るもん」
「マンタは犬じゃん。守ってもらえないよー」
「知らない人には吠えて飛び掛かるから大丈夫」
「……」
敦史は打つ手無しという表情だ。
「ーーじゃあ……期末テストの勉強しにくる?」
「行く行く!」
満面の笑みで頷いた。
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