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敦史が私の上に膝と手をついて話しはじめる。
「あの映画、確か一晩泊まったよな」
「……うん」
「じゃあ、加世の受験が終わったら、旅行に行こうよ。俺達の卒業旅行」
「うん」
「泊まりでな」
「ーーうん」
「その頃俺18だし」
「うん、そうだね」
「意味分かってる?」
「うん?」
「結婚出来る年! 責任取れるっしょ?」
「……」
「だから、それまでは、最後までしないからーーきっとね」
私は敦史の首に腕を回してキスをした。
そしてその日も、お互いの全てを知るように裸で抱き合い、最後まではしなかった。
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