10.コイ アイ

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「ヒヒヒ! ――どうぞ、空きましたので」  お風呂へと誘導するように手を広げ、ボーイの様に頭を下げるまえを、ちょっと威張ったふりをしてバスルームへと向かった。 「覗いても――」 「ダメ!」  敦史の言葉を素早く遮って、ドアを閉めた。  シャワーを浴び、湯船にゆっくりと浸かる。側にあった入浴剤を開けて入れると、お湯がピンク色になり花びらが浮かんだ。 「わぁー」 「どうした?」  敦史の声が隣の脱衣所から聞こえ、ドキッとする。 「――入浴剤いれたら、ピンク色になってバラの花びらが浮かんだの」 「俺も見たーい」 「えっ……」  私は湯船に顔が浸かるまで、深く沈むと、ドアが開いて笑顔の敦史が入ってきた。
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