10.コイ アイ

21/26
前へ
/399ページ
次へ
「のぼせる前にそろそろ出ようか」 「うん」  敦史が先に立って、バスルームと脱衣所の電気を消して、洗面台のライトだけの照明だけにした。 「加世は暗い方がより一層大胆になるもんな」  そんな事を言って笑ったけど、さっきから、気遣ってくれているのが分かって、その優しさに又ときめく。  湯船を出て、脱衣所で待つ敦史の所へ行くと、敦史はタオルで私の体を拭き、ドライヤーで髪を乾かしてくれた。 いつかのラブホテルのことを思い出す……。  あの時は恥ずかしくてたまらなかったのに、今は、恥ずかしさよりも、早く敦史と肌を重ねたくて、振り向いてキスをした。敦史が更に深いキスで答える。 「やっぱり、なったじゃん」  ニヤリと笑うと、裸の私を抱きかかえ、部屋へと向かう。
/399ページ

最初のコメントを投稿しよう!

389人が本棚に入れています
本棚に追加