10.コイ アイ

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 ベットの上で、敦史の腕の中で、小さく丸まったり、体を反らせ、くねらせ――私は気持ちよく泳ぐ魚のようだった。 「敦史……はぁ、もう……」  敦史が体を起こし、サイドテーブルに手を伸ばして私を見つめる。 「いいの?  ホントに」  敦史の手はゆっくりと動きを止めない。小さな快感の波が続く中、小さく頷いた。 「でも……」 「でも?」 「少し怖い……何か変わるのかな?」  敦史が優しく見つめる。 「コイがアイに変わるんだ」 「――」 「お互い、もっと深く、もっと好きになる」  私は敦史の確信に満ちた眼差しに、全てをゆだねた。
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