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「敦史、止めて! どうしたの?! 敦史!」
「返せよ! 俺の金返せ!」
お金…?
「返すって約束したもの! だからもう少し待って…」
お母さんは丸まったまま小刻みに震えている。
「騙されたんだろうが! その男に棄てられたんだろうが!」
その時ハッと気づいて、隣の部屋を見にいく。開けられた机の引き出しの中は空っぽだった。
ードサッー
鈍い物音に、急いで隣の部屋に戻ると、敦史がお母さんを壁に押し付け、首元を締め上げていた。
「返せよ、今すぐ返せーー殺すぞ」
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