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入れ違いにパトカーが来て止まった。数人のやじ馬の間を、洋史君は足早に私の手を引きながら、その場から離れた。
後ろ髪引かれる思いで振り向くと、2名の警官が、敦史の家に入っていく所だった。
「何で、何があったんだよ……」
家から離れ、歩きながら洋史君が悔しそうに吐き出す。
「敦史の学校に払うお金がなくなってて……」
「マジで?! 何なんだよあの女は!」
地面を足で強く踏み、吐き捨てる様に言う。敦史も洋史君も、実のお母さんを心底嫌う姿が切なかった。
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