11.彼の闇

7/30
前へ
/399ページ
次へ
 洋史君は駅まで送ってくれた。すると、洋史君の携帯に着信があった。 「呼び出しです。身内、俺しかいないから」  洋史君が寂しそうに微苦笑する。 「ちゃんと後で連絡します」 「お願い」  それが頼みの綱だ。洋史君は小さく頭を下げて、来た道を戻って行った。  洋史君が見えなくなると、ぼんやりしたまま、電車に乗り、学校へは行かずに家路についた。
/399ページ

最初のコメントを投稿しよう!

389人が本棚に入れています
本棚に追加