390人が本棚に入れています
本棚に追加
昨日までずっと一緒に居て、手を伸ばせば触れることが出来たのにーー今日は、敦史の声さえ聞けなくなるなんて。
繋がらない電話とメールを繰り返しながら、心も体も、削がれたピースを探すように、敦史を求めていた。
翌日、放課後に敦史のアパートへ行った。ドアノブに手を掛けると、ドアが開いた。
敦史が居るわけないのに、緊張しながら、中を見ると、人の気配はなく、あの日荒らされたままの状態だった。
でも、いつ敦史が帰ってくるかもしれない――私は散らかった部屋の片づけを始めた。
最初のコメントを投稿しよう!