11.彼の闇

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 翌日も、学校が終わってから敦史の家へ片付けに行く。その次の日も、片付けをしていると、夕方5時過ぎに敦史のお母さんが現れた。 「あら……」 「あ、こんにちは。……済みません、勝手にあがってしまって」 「片付けてくれてるの?」 「……」  敦史のお母さんは、自分の部屋へ向かって、まだ散らばっている部屋の中から、服を数着手に取って袋に入れた。 「ここじゃ眠れないじゃない? だからずっと、お店に泊まらせてもらってるの。今日は着替えを取りにきただけだから」 「あの……敦史から連絡は?」 「アナタにないの?」 「はい」 「そーう。フフ、それなら、私にもないはずね」  お母さんはあっけらかんとし過ぎているように見えた。 「これからお店なの。お好きなだけ居てね」  お母さんは、靴も数足袋に入れると出て行った。取り残された私は、奇妙な違和感を感じながら、自分で決めた午後7時まで、片づけを続けた。
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