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次の日も、また次の日も、私は敦史の家へ行き、片付けを続けた。
片付けている途中、一冊のアルバムが出てきた。中を開くと、敦史の子どもの頃からの写真が綴じられていた。
そこでも、違和感を感じた――洋史君の写真が殆どない。洋史君が写っているのは、敦史と一緒の写真だけだ。以前の敦史の言葉を思い出す――
「母親に邪険に扱われてる」
もし洋史君がそうなら、このアルバムを見る限り、敦史はとても愛されている。きっとお母さんが撮ったであろう、その写真は、どれも皆、笑顔と愛に溢れた写真ばかりだ。
ページをめくる度に大きくなっていく敦史の写真を見ながら、たまらなく敦史が恋しくなった。
小学校高学年、中学生……枚数は少なくなっていくが、大人びた知っている敦史に近づいていく――
でも何だか、写真の雰囲気が変わってきたーーそう、笑った顔の写真が無くなっていた。
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