11.彼の闇

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「敦史……」  私を中に引き寄せ、ドアが閉まった瞬間にきつく抱きしめる。 「体、冷たいじゃねーか!」 「――」  敦史は私を、ダイニングのイスに座らせると、毛布をかけ、ストーブを持ってくる。 「敦史、側にいて」  敦史は、私の前に座って冷えた手を両手で包んでくれた。 「大丈夫か?」 「どうして……どうして、突然消えたりしたの?」 「……」 「私……」  涙が溢れ、言葉にならない。敦史は私を無言で抱きしめ、どちらからとなく唇を合わせた。
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