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「そんな女のどこがいいのよ!」
それはお母さんの言葉とは思えなかった……敦史は今にも泣き出しそうな顔で振り向いた。
「加世、いいから、出よう……」
「敦史、あなたの事を一番に愛しているのは私なのよ。ねぇ分かるでしょう?」
敦史がうなだれ首を振りながら私の方へ歩いてくる。
「早く……行こう」
絞り出すように、何かを恐れ、見つかりたくない、逃げ出したいーーそんな声だった。
「加世さん、私ねぇーー」
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