11.彼の闇

24/30
前へ
/399ページ
次へ
 私は体を起こし、サイドテーブルに置かれた携帯を取って、緊張しながら敦史に発信する。 『電源が入っていないため繋がりませんーー』  メールを送っても、アドレス無しで返ってきてしまった。どうすることも出来ず、携帯に付けたストラップをギュっと握りしめ続けた。  翌日、私は高校へ通った。両親は心配したけど、 敦史が登校しているかもしれないーーそう思ったら、家に居るなんて出来ない。  敦史のクラスまで行ったけど、やっぱり学校には来ていない。次の日も、又その次の日も、敦史は学校には来なかった。
/399ページ

最初のコメントを投稿しよう!

390人が本棚に入れています
本棚に追加