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「一、二年前は平和だったんだ。家庭訪問に来た、ニィの担任をあの女がうまい事引っ掛けてから、
ニィも落ち着いたっていうか……」
「……」
「中学時代の兄貴は、めちゃくちゃだったんです。
でも、それは全部あの女のせいで……」
「……」
「兄貴、加世さんと付き合いだしてからは、ビックリするくらい変わったんです。一途に、何だか幸せそうで……だから、ニィのこと、信じて待っていてください」
洋史君の話に胸が熱くなって泣きそうになる。
「今、敦史が連絡を断っているのは、知られたくない秘密を、私が知ってしまったから……」
洋史君がぼんやりと私の顔を見つめる。
「それって……あの女とのこと?……」
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