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「洋史君ーー知ってるの……?」
洋史君が目を伏せ、口を開く
「何年前からか……部屋の扉が開いて、ニィがあの女に呼ばれると、俺はいつも大きなヘッドフォンを耳にあてられた。『これ聞いててな』って頭を撫でて、ニィは隣の部屋に消えて行ったけど、
いつもCD一枚聞き終わるまでには戻ってきて、ヘッドフォンを外してくれたし、俺も大体寝てしまってーー」
「……」
「でもあの日ーー俺が小6だったあの晩、
ほんの出来心で、戸をそっと開けて覗いたんだーー」
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