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3月ーー高校を卒業する日がやってきた。結局、敦史は行方知れずのまま、学校にも登校しなかった。
体育館で卒業セレモニーが続く。式が終わりに近づいた頃、手を振る卒業生ーー田瀬君だ。
私は田瀬君の視線の先を見るーー
「!」
体育館の入口に敦史がいた。髪を短く切り、少し痩せた敦史が、田瀬君の近くの席に座った。
式の間中、かすかに見える敦史の姿から目が離せない。
式が終わり、卒業生が退場していく中、先に退場していく敦史の名前を思わず叫びそうになる――私は敦史から目を逸らさずに、その影が見えなくなるまで目で追った。
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